いやぁ、寒いッスねぇ・・・
朝起きるのが本当に辛いです。
と、今日はこんな季節にそぐわないエアコンのハナシなんですが・・・
いや、別にこんな12月の寒い時期にエアコンの話しなくても・・・と思ったんですが、最近ちょっとネタ切れで(笑)
以前ディーラーに勤めていたとき、夏場になるとエアコンの調子が悪くなった車がよく修理に入ってきたのです。
もちろんエアコンを酷使する夏場ですから、エアコンが壊れやすい季節ではあるのですが、その中に「エアコンの効きが悪いから修理してくれ」という依頼が結構多かったんです。
このような修理依頼の場合、ほぼ8割はエアコンの冷媒(ガス)が減っていてよく冷えないという症状です。特に中古車で購入した車に多いですね。
そしてその他の2割ですが、工場で点検しても特に異常は見られないのです。エアコンを作動させてみると正常に作動して冷えた空気が吹き出し口から出てきます。
「ちゃんと冷えますし、異常は確認できないのですが・・・」
とお客さんに報告すると
「そんなはずは無い!この車のエアコンは全然冷えないんだ!」
と言います。
これ、実は外気温と関係があるのです。
夏場に車を運転していて
「あー、今日は暑いからエアコンの効きが悪いなあ」
昼間はこう思っても、夜になるとエアコンがガンガンに効いてきた・・・
また、夏場の渋滞中は、あまりエアコンが効かなかったのに、高速道路へ入ってからエアコンが効き出した・・・
こんな経験はありませんか?
外の気温が何度であろうと、その車のエアコン事態は変わりませんから、冷やすのには限度があります。
そして、固定されていいる住居用のエアコンと違い、様々な条件下で使用されるカーエアコンはかなり厳しい条件の中で酷使されているのです。
車は直射日光を浴びて、ボディーの表見温度はヘタしたらボンネットの上で目玉焼きが焼けるほどに熱くなります。そしてそのボンネットの下には、ものすごい熱を発するエンジンがあります。
また、下には気温を遙かに超える温度の路面(アスファルト)が絶えず熱気を放っています。
車内も直射日光にさらされて、シートは50度くらいにまで表面温度が上昇します。
こんな過酷な条件で冷やさなければならないカーエアコンは、かなり厳しい条件の下で使用されているのです。ですから、外気温度が上がり、熱い空気を吸気する夏場は、エアコンの効きが悪くなるのは仕方ないのです。
また、エアコンの効き方は走行速度によっても変わってきます。
カーエアコンは、車の前方(大抵はラジエターのそば)に取り付けられている「コンデンサ」というパーツに走行風を当てる事によってエアコンの触媒を冷却しています。
ですので、渋滞などでノロノロ走っているとコンデンサに風が当たらず、冷媒が冷却されなくなってエアコンの効きが悪くなります。
そして高速道路などを走るとコンデンサに大量の風が当たって触媒が冷やされ、エアコンの効きが良くなるのです。
ですから、エアコンの効きは、「外気の温度」と「車の速度」に左右されます。特に暑い夏場は顕著になります。
8月の真夏日が何日も続くような時期は、どの車もエアコンの効きが悪くなっているのです。
そう言えば、先日バンコクに行ったのですが、バンコクは一年中暑くて、ほぼ毎日35度くらいまで気温が上がるそうです。
さぞかし車内も暑いだろう。。。と思っていたのですが、乗ったタクシーはどれも車内のエアコンがガンガン効いているんですね。
渋滞もしょっちゅうなのに、もう寒いくらいエアコンが効いてるんです。
不思議だなあ?と思ってよーく観察すると、どの車も真っ黒いフィルムを貼っているんですね。
しかもフロントウィンドウまで!
日本では透過率70%以上のフィルムしか貼れませんが、バンコクの車に貼ってあるフィルムは本当に真っ黒!外から見ると車内なんて全く見えません。
(右の写真は、空港近くに停めてあったツーリストポリスのパトカー。窓のフィルム、真っ黒です)
この黒いフィルムが太陽光をかなりカットしているらしく、どの車もエアコンが効いていました。
さすが常夏の国ですね。
でも夜になったら怖くて運転できないと思うんですが・・・